脱毛回数と深い関係のある毛周期の基礎知識

脱毛について

クリニックやサロンで脱毛を行う場合には1回だけで脱毛が完了せず、2ヶ月前後の間隔を開けて何回か通う必要があります。これは毛周期と呼ばれる毛の成長のサイクルに由来し、毛周期に合わせて脱毛を行うことでつるつるの肌が手に入るという仕組みです。そんな毛周期に関する基礎知識を解説するとともに、脱毛部位ごとの成長サイクルや毛周期と関係なしに脱毛できる最新技術についても紹介します。

脱毛は毛周期に合わせて行うのが一般的

髪の毛を含む毛は絶えず伸び続けるのではなく、成長期と退行期・休止期という3つの段階からなる毛周期のサイクルを繰り返しながら生え変わっています。脱毛クリニックで受けられるレーザー脱毛や脱毛サロンで行う光脱毛は、毛根に含まれるメラニン色素と反応して熱を発生し毛母細胞にダメージを与える方式が主流です。
成長期の段階にある毛はメラニン色素が濃いため、照射した光が生み出す熱が毛根にもしっかりと届きやすくなります。体毛がまだ残っていても毛根と離れてしまっている退行期や毛が抜け落ちる休止期になると、毛根のメラニン色素が薄いため脱毛には不向きです。脱毛に適した成長期の段階にある毛は体毛全体のうち20%に過ぎませんが、残りの毛も時期が来れば再び成長期に転じます。
体毛ごとに毛周期の段階がバラバラな毛をまんべんなく脱毛するには、時期をずらしながら何回かに分けた脱毛が必要です。そのため脱毛クリニックでも脱毛サロンでも5回から20回程度に分けて脱毛を行うことで、回数を重ねるごとに脱毛効果を実感できるようになります。

脱毛と毛周期のメカニズム

体毛の成長サイクルは成長期よりも前から準備がすでに始まっており、成長を終えた毛が自然と抜け落ちる休止期の最中には発毛因子が早くも活動を開始しています。休止期の状態にある毛は目に見える形で表面に出ていませんが、毛穴の奥で新たな毛母細胞が発生しつつある段階です。
この毛母細胞が毛根にしっかりと定着すると毛が成長期に転じる準備が整い、毛母細胞が毛乳頭から栄養を吸収することで細胞分裂が始まります。毛母細胞が次々に分裂して毛が成長し始めた段階が成長初期に当たり、毛が皮膚表面に現れてくる次の段階が成長後期です。
成長初期から成長後期の段階にある毛根は黒の色素が濃く、レーザー脱毛や光脱毛で照射された光をよく吸収して高熱を発する性質を持ちます。毛根が熱によるダメージを受けると毛母細胞が破壊されて毛の成長が止まり、毛が脱落するとともに以後も毛が作られにくくなるという仕組みです。このときも全体の80%に当たる退行期や休止期の毛は脱毛できるほどの影響を受けませんが、次に成長期を迎えたタイミングを狙って再び光を照射すれば次々と脱毛することができます。

脱毛部位ごとの毛周期

レーザー脱毛や光脱毛では以上のような毛周期を計算に入れながら施術を行い、最終的に1年半から3年ほどをかけて脱毛を完了させるのが一般的です。高出力の脱毛機を使用するレーザー脱毛は光脱毛と比べて半分ほどの回数で済みますが、脱毛に要する期間は部位によっても違ってきます。
これは部位ごとに体毛の毛周期が異なるせいで、脱毛の対象とならない頭髪の毛周期は2年から6年にも及びます。脱毛の対象となる部位の中でもワキは1年から2年半ほどの長い毛周期を持ち、このうち成長期は3ヶ月から5ヶ月ほどです。VIOも毛周期の長い部位の1つで成長期は1年ほどに及び、退行期・休止期を経て次の毛が生えるまでには1年ほどかかります。
顔や腕・脚などの体毛は毛周期に半年から1年半まで幅が見られ、成長期が4ヶ月から1年に及ぶヒゲは退行期から休止期を合わせても1ヶ月ほどしかないのが特徴です。毛周期の長い部位ほど脱毛完了までに要する期間が長くなり、全身脱毛を受ける場合は毛周期の長い部位に合わせた期間が必要になってきます。

毛周期に関係なく脱毛できる方法も登場

クリニックやサロンで受けられる脱毛方法にもいろいろな種類があって、すべての方式がこうした毛周期に合わせて行われるわけではありません。レーザー脱毛の最新技術として導入するクリニックが増えている蓄熱式は毛根のメラニン色素ではなく、発毛因子を作り出すバルジ領域をターゲットにした脱毛方式です。
蓄熱式のレーザー脱毛は皮膚の浅いところにあるバルジ領域にダメージを与えれば済むため、毛根をターゲットとした方式ほど高出力のレーザー照射を必要としません。メラニン色素の濃さと関係なしに脱毛できる蓄熱式は毛周期に合わせる必要がなく、施術の頻度を短縮したスピード脱毛も可能です。
脱毛サロンの光脱毛でも同じくバルジ領域をターゲットとしたSHR脱毛が実用化されており、メラニン色素の薄い産毛の脱毛にも効果があることから人気を集めています。SHR脱毛も毛周期を考慮する必要がないため他の方式より短いサイクルで施術が受けられ、他の方式の光脱毛より早い最短6ヶ月で完了が可能です。

まとめ

以上のような毛周期が脱毛と深い関係があるという事実を理解すれば、クリニックやサロンに何回も通わなければならない点にも納得がいきます。現時点では毛の成長期に合わせて光を照射させる方式の方が脱毛実績も豊富で、脱毛効果を実感しやすい点が強みです。脱毛技術の進化によって毛周期と関わりなしに脱毛できる方法も実用化が進んでおり、今後は導入するクリニックやサロンが増えていくものと予測されます。

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